空と家が立ち並ぶ町並み
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平成29年度のテーマは「くらしを支える税」だとか。

 

私たちの暮らしにかかせない税金について、この機会に理解を深め、未来について考えてみるのもよいと思います。

歴史

調べてみると、「税を考える週間」は、国民の納税意識の向上を図る取り組みとして、とても歴史のあるものでした。国税庁は古くからこのような期間を設けて、広く広報活動に取り組んできたようです。

 

昭和22年 申告納税制度を導入
昭和24年 国税局を発足
税務行政に対する納税者の不満が多発
昭和29年 「納税者の声を聞く月間」を設ける
積極的な苦情相談、納税施設の改善、各税法の趣旨の周知→納税意識の向上に関する各施策を行う
昭和31年 「納税者の声を聞く月間」から「納税者の声を聞く旬間」へ
苦情処理を重点項目に
昭和49年 「納税者の声を聞く旬間」から「税を知る週間」へ
税の重要性、執行の公平性等を積極的に広報
平成16年 「税を知る週間」から「税を考える週間」へ
国民一人一人に、国の基本となる税に対する理解を深めてもらう

出典:国税庁ホームページより

講演会・説明会資料より

国税庁のホームページでは、「理解を深める講演会資料」として2つの資料を公開しています。

 

参照国税庁の取組紹介

 

税の種類

国税:国に納める税金
国税 所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税、酒税、たばこ税、自動車重量税、印紙税、登録免許税、関税など

 

地方税:地方公共団体に納める税金
道府県税 道府県民税、事業税、自動車税、固定資産税(特例分)、地方消費税、不動産取得税、道府県たばこ税、ゴルフ場利用税、自動車取得税など
市町村税 市町村民税、固定資産税、事業所税、軽自動車税、市町村たばこ税、入湯税など

出典:国税庁ホームページより

 

身近な財政支出の一例

国民1人当たりの年間金額(平成26年度)

警察・消防費 約41,900円
ゴミ処理費用 約17,800円
国民医療費の公費負担額 約124,700円
小学生1人当たりの公費負担額 約890,000円
中学生1人当たりの公費負担額 約1,011,000円
高校生1人当たりの公費負担額 約1,005,000円

出典:国税庁ホームページより

 

国の財政

平成29年度当初予算

歳入総額:約97兆5千億円
内訳 税金収入 約59% 約57兆7千億円
公債金(国の借金) 約35% 約34兆3千億円
その他収入 約6% 約5兆4千億円

 

歳出総額:約97兆5千億円
内訳 社会保障関係費

(私たちの健康や生活を守るために)

約33% 約32兆5千億円
公共事業関係費

(道路や住宅などの整備のために)

約6% 約6兆円
文教及び科学振興費

(教育や科学技術の発展のために)

約6% 約5兆4千億円
防衛関係費

(国の防衛のために)

約5% 約5兆1千億円
経済協力費
(開発途上国の経済援助のために)
約1% 約5千億円
その他 約9% 約9兆円
地方交付税交付金等

(地方公共団体の財政を調整するために)

約16% 約15兆6千億円
国債費

(国債を返したり利子を支払ったりするために)

約24% 約23兆6千億円

出典:国税庁ホームページより

 

増え続ける公債金(国の借金)

なんと借金返済より借入額の方が約11兆円も多いという現実。

 

平成29年度末の国債残高は約865兆円に達する見込みで、これは、税収約15年分に相当するとか。国民1人当たり約688万円の借金があることになるそうです。

 

主な要因の一つが「少子高齢化」

  • 高齢化による年金、医療、介護費等の給付水準の増加
  • 少子化による働く世代の税収減

 

高齢者1人に対し働く世代の割合の推移

高齢者(65歳以上) 働く世代(20~64歳)
1965年 1人 9.1人
2017年 1人 2.0人
2050年予測 1人 1.3人

出典:国税庁ホームページより

脱税

国の借金が膨れ上がり高齢者の年金が減らされる一方で、自己の利益のみを追求する悪質な脱税者がいることは決して許されることではありません。下表にあげただけでも脱税、滞納合わせて約1兆円にのぼります。実際にはもっとあることでしょう。さらには脱税を調査、回収する手間にも税金がかかっているわけです。

申告漏れ

悪意の有無にかかわらず申告が不適正であった法人、個人

 

平成27年度

法人税 調査件数 94千件
1件あたり申告漏れ所得金額 888万円

 

申告所得税 調査件数 66千件
1件あたり申告漏れ所得金額 794万円

出典:国税庁ホームページより

 

無申告

事業を行っているにもかかわらず申告をしていない法人、個人

 

平成27年度

無申告法人 調査件数 2,555件
法人税追徴課税 46億円
消費税追徴課税 40億円

 

個人の無申告者 調査件数 7,445件
所得税追徴課税 150億円

出典:国税庁ホームページより

 

滞納

平成28年度末における滞納税額:約8,971億円

 

国税庁では集中電話催告センター室を設置し対策をしているそう。

 

平成28年7月~平成29年6月末までに電話催告の対象となった者

催告対象者:831,037者
内訳 完結 72.1% 599,032者
納付誓約 13.2% 109,606者
署へ返戻 8.8% 73,435者
催告中 5.9% 48,964者

出典:国税庁ホームページより

 

公売

滞納者から差し押さえた財産を、強制的に売却して、滞納国税に充てています。

 

平成28年度

売却物件 約400件
売却代金 約4億6千万円

出典:国税庁ホームページより

 

課税・徴収漏れに関する情報の提供

国税庁ホームページでは「課税・徴収漏れに関する情報の提供」を求めるページが設けられています。万が一にも自分の周辺に不正を働く悲しい人がいたら、そっと情報提供してみましょう。

確定申告

「財務省は、2019年1月からスマートフォンで確定申告ができるようにする方針を示した」と新聞にありました。「働き方改革」などで副業が広がり、確定申告をしなくてはいけない人が増えていることから、手続きの簡略化を図るそうです。

 

確定申告まであと2カ月半。うっかり申告漏れをしていたなんてことのないように、情報収集をかかさず、適正な申告をしましょう。