花田優一さん初著書「生粋」の表紙
namaiki

「横綱の息子である以外、僕は何も持っていない」

 

お父さんも相撲取り、おじいちゃんも相撲取り、叔父さんも相撲取りという相撲一族の長男として生まれ、私たちには想像できない重圧のなかで生きてきたのかなと勝手に思う。

 

テレビにも多く出演する靴職人、花田優一さん(22歳)の初めての本『生粋(ナマイキ)』が、11/18放送の『王様のブランチ』で紹介された。

花田優一さんとは?

元大相撲力士で第65代横綱の貴乃花親方と、元フジテレビアナウンサー河野恵子さんの長男。三兄弟の長子で、妹が二人。

 

現在は靴職人。完全オーダーメイドの革靴で手縫いのステッチがこだわり。一足つくるのに10日~2週間かかるそうで、お値段は15万円~20万円くらい。予約が一年半待ちだとか。

 

偉大な横綱貴乃花の一人息子として、将来は角界入りをさぞ期待されていたのかと思いきや、おじいちゃんからは「好きなことをやりなさい」と、小さいときから言われていたとか。お父さんも異論はなく、「ただし、どの世界でも一番を目指す」のが親子のルールだった。

父と子

今年の夏に放送された「しゃべくり007」に出演したさいには、「父が鬼のように怖かった」と話していた。貴乃花部屋の弟子たちの手本にならなければいけない環境。

 

小学校卒業の日に、「自分の息子ができないのに弟子に叱れない」「明日から、調子にのるようなことがあったら引きずり回す」とお父さんに言われたそう。で、実際に豹変してしまった。確かにあのお父さん、そうと決めたら半端なく怖そう……。

 

でも、きっとそれまでは優しいお父さんだったと思う。部屋のお相撲さんたちにも「坊ちゃん、坊ちゃん」って小さいときには言われながら育ったんじゃないかなーって。推測だけど。

 

で、ある日突然厳しくしつけられる。たしかに、相撲取りだったら、15歳から厳しい稽古を積みながら、住み込みで礼儀作法をしつけられるんだろうけど。でも家庭の中でお父さんがある日突然ってなったら……。

 

金太郎と、金太郎に投げられるクマのイラスト

職人への道

中学卒業後に単身アメリカのボストンへ留学。ちょうど同い年の新弟子が入る頃で、「逃げました。死ぬと思って。」

 

その後、職人の道を目指して革靴の本場イタリアのフィレンツェで3年間修行を重ねる

 

その時に会った師匠が「靴の渡り職人」で、パンプスから登山靴までなんでも作れる靴職人だった。この「いろんな種類の靴を作る経験がとても財産になった」と『徹子の部屋』で話している。

 

※渡り職人:自分の工房を持たずいろんな店の工房を渡り歩く職人さん

帰国後

都内に自分の工房を持つ。

 

以前「明石家さんまの転職DE天職」で、さんまさんの足型をとりオーダーメイドの革靴をプレゼントしていた。「スニーカーを履くように革靴を履いて欲しい」「イタリアではおじいちゃんの靴を孫が履く。一生履いてほしい。」と言っている。これが本当にかっこいい靴で、Twitter上で大絶賛だった。

 

絵を描くことが好きで、貴乃花部屋の関取の化粧まわしのデザインも手がけたそう。

 

強い信念

父親の名前でテレビに出演し、芸能事務所と契約を結んだという花田優一さん。今年の11月には、おしゃれも生き方も「歯」も輝いている人として『BEST SHINIST 2017』を受賞した。

 

その際に、メディアに露出することについて批判の声があることを聞かれると、「ミュージシャンや俳優だけでなく、職人がスポットを浴びてもいい」「靴職人の肩書きで公の場に出ることで、子どもたちの夢になるといい」「どんなに批判をされようとも止める気はない」と、謙虚ながらもはっきりと強い信念を語っている。

 

現に、その日に履いていた靴は18歳の時につくった靴だそうで、「雨の日でも履く。磨いて大切に使えばいい靴になることを証明したい」と、職人として靴をアピールした。

 

道具を手にする靴職人のイラスト

 

15歳でアメリカに渡って、職人を目指してフィレンツェに渡り、ほんの3~4年間で「職人」というプロの肩書きを手に入れることは、相当な努力の末のことだと思う。自宅でまったりとこれを書いている私は、そんな信念は持ち合わせていない。この強い信念には、少なからず心揺さぶられてしまった。

 

書籍の出版

「本にすることでしか真意は伝わらない」。お父さんへの想い、お母さんへの想い、家族への想いなどを真摯に語っています。

 

2017年11月17日発売

2017年12月5日発売

出版を記念して、花田優一さん初めてのサイン会を開催するそう。来場者には本人特製のレザーブックマーク(しおり)がプレゼントされます。

 

日時:2017年12月11日(月) 19時~

場所:紀伊國屋書店 新宿本店8階

参加方法:紀伊國屋ホームページをご確認ください

 

参照紀伊國屋ホームページ

さいごに

それにしても顔立ちがお父さんに良く似ている。生き様とともにかっこいい。

 

メディア露出の批判について、「どんなに批判をされようとも止める気はないと思います」と、謙虚ながらもはっきりと意思を示したあの一言に惚れました。

 

参照花田優一オフィシャルブログ